建築基準法施行令第126条において

避難に関する設備として「非常用の照明装置」、「非常用進入口」、及び「非常用エレベーター」について、規定されています。
非常用の照明装置について説明いたします。火災や地震時の停電は人々に恐怖感を与え、避難の障害となります。このため大規模な建築物や劇場、デパートなどには避難に必要な照明を確保するために、非常用の照明装置の設置が義務付けられています。非常用の照明装置は1ルクス以上の照度で30分以上点灯するように定められています。

次に、非常用進入口について説明します。非常用進入口は火災時に、はしご車により、消防隊が建物の外から進入できるように設置するものです。設置する階は高さが31m以下の部分で3階以上の階になります。何故31m以下の部分になるかということですが、現在の消防署に配置されている、はしご自動車は、はしごを伸ばしても高さが31m が限度だからです。それでは、31m以上はどうするのかという疑問が出てきますが、高さが31m以上の建築物には、非常用エレベーターの設置が義務になること、消防法令では、スプリンクラー設備を設置しなければならないなど、31mを境にしまして、厳しい法規制となっております。当然その規制のために工事費がかかることになります。一例ですが、マンションで高さを31m以下にするため、10階までの高さのマンションが多いのは、このようなことも一つの要因かと思います。

非常進入口の構造ですが、外壁の部分に幅4mで外壁から1m突き出した、バルコニーのようなものです。ただし、この非常用進入口は、容易に破壊できる構造の窓で、大きさが直径1mの円のものがあれば設置しなくてもよいこととされております。通常「代替進入口」と呼ばれていまして、その部分には、一辺が20cmの正三角形の赤色反射板で、その位置が分かるようになっています。最近の建築物はほとんどが、代替進入口を設置しています。

続いて、非常用エレベーターについて説明します。非常用エレベーターは、建築物の高さが31m以上あり、消防のはしご車が届かない建築物に対して設置が義務付けられています。非常用エレベーターは、消防隊が高層建築物の高層階において火災が発生した場合に、消防隊や消火のための資機材を運ぶために使われるものです。消防隊員は通常20Kgもの重装備で消火活動をしますので、普段訓練しているとはいえ、何十階も階段で昇り降りしていたのでは、迅速な消火活動は望めません。この非常用エレベーターは、火災の際に使用するものですから、通常のエレベーターよりも当然防火性能を向上させております。非常用エレベーターの乗降ロビーは、消防隊の活動拠点となりますので、壁や天井などは耐火構造、そして、防火戸により囲まれています。

また、非常用エレベーターは通常は一般のエレベーターとしても使用できます。そこで、非常エレベーターに切り替えるための仕組みがあります。通常のエレベーターで使用していて、非常用エレベーターに切り替える場合には、専用の鍵で切り替えます。非常用エレベーターとして使用する場合には「一次消防運転」、及び「二次消防運転」という使い方になります。一次消防運転とは、通常のエレベーターで使用しようとしても、かごの中の操作を優先します。また、二次消防運転とは、万一、エレベーターの扉がなんらかの理由で閉まらない場合でも、二次消防運転に切り替えますと、扉が開いた状態でも目的階に行くことが出来ます。以上が避難に関する設備及び非常用エレベーターの説明になります。

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